脱毛。
1回目の抗がん剤治療のあと、寝込むほどの重い副作用は思ってたよりなくて、体重は減り気味だけど頑張ってご飯も食べれてるし、仕事は2回くらい休んだだけで、舞台観にいくことができたことを気分転換になったと喜んでいて、横になっていることは多いけど、日によって気分が落ち込む日もあるけど、毎日今日はどうかな?と様子を伺いながらまぁ元気なんじゃないかなと思っていた。
さっき。
部屋にいたら風呂を出た母からノック。
とうとうきた、と。
洗面所に行くとたくさんの髪の毛。
洗髪後に拭いていたらパラパラと抜けてきたと。
母自身思っていたより元気に過ごせている自覚があったから、髪の毛抜けないかもね、なんて希望的観測も込めて、きっと抜けるんだろうという自虐も入って、言っていたけどやっぱりきた。
かける言葉がなかなか見つからなくて「がんばろうね」しか言えない私。
「がんばろうね」と努めて明るく応えながら泣いてしまう母。
当たり前だよね。
背中をさするしかできなかった。
近く、風貌が変わってしまうほど抜けちゃうんだな。
ほんとにただ見守るしかできないのがもどかしい。
なにもできないや。
ごめんね。
早く時が過ぎてほしいと思ってしまう。
あーーもうほんと。
役立たず。
無力。