もうひとつのドットのどくご

どんなもんだ!って笑い飛ばせるように

電話

お母さんが電話してる。

 

おかげさまで気にかけてくれるお友達がいたり、きょうだいとの電話だったりいろいろだけど、その度に聞こえてくる。

 

「先生はいいことは言わないから、再発したら治療法はありませんって」

 

そんなばっさりした言い方ではなかったと思うけど。

 

そうだよ。

 

説明受けた。

 

そういう型だって。

 

そうだけど。

 

でも。

 

同じ型で亡くなった叔母のときと違う。

 

型は同じだけど見つけたときのステージも治療経過も全然違う。

 

そりゃ先生は絶対もう大丈夫ですよなんて言わないでしょ。

 

だけど根治ものぞめますって言ってたじゃん。

 

ステージⅠで全摘してリンパ転移もなかったでしょ。

 

今、再発しないために小さなリスクも潰しておくために抗がん剤治療してるんでしょ。

 

お母さんが電話で話してるのを聞くたびに心が重く覆われる。

 

なんのためにこんなしんどい思いしてんの。

 

元気になったらあれもしようこれもしようって考えてるのになんでそんなお先真っ暗みたいにあっけらかんとした声で話すの。

 

自分にその最悪の場合を覚悟させるためなのか、そんなことはまずない大丈夫だと言い聞かせたいためなのか、わからないけど、気持ちはわかるけど、聞くたびに落ちる。

 

きつい。

 

全部終わって最後に検査してよかったね元気になったねって言えたらいいじゃん。

 

治療が終わってからもそうやって話すのをずっと聞かなきゃいけないのかと思うと本当に気が重い。

 

再発の不安がついて回るのはわかるけど。

 

でもなんか再発待ってるみたいじゃん。

 

なにそれ。

 

きつい。