もうひとつのドットのどくご

どんなもんだ!って笑い飛ばせるように

おかえり

お母さんが退院してきた。

昨日はお母さんのバスタオル洗って台所きれいにして食べたいって言ってたアイス冷凍庫に入れといて仏さんのお花も代えた。

今朝はちょっと早起きして家中掃除機かけた。

入院中は胃の具合がよくない日があったみたいだけど今日は大丈夫そうということでお気に入りのお寿司屋さんで中トロ注文した。

仕事終わってお寿司受け取って家に帰ったらお母さんがいた。

涙の再会ってわけでもなく、穏やかに、おかえり、ただいま、ありがとね、おつかれさま。

夕飯が済んで、笑えたらいいなって残しておいた録画をみせて歌番組を観て笑って。

日常だ。よかった。

テレビ見終わって。

傷見る?

うん。

おぉ。なかなか激しいね。

妹は怖いからみないって言ったんだって。

そうね、私はある意味見慣れてるけど確かに怖いって思っちゃうかもね。でも悪いもの全部取れたんだからよかった。

取れたからめでたしになればいいのに。

それでもやっぱりトリプルネガティブは怖いから抗がん剤治療はしなきゃいけないんだって。

先生も申し訳なさそうな困った感じで話してたって。

再発がやっぱり怖いんだって。

そうか。

やっぱりやるしかないのか。

じゃあまたしんどくなるね。

これで再発したらもうどこでも遊びに行っちゃおうよ。

なんて笑って話しながら。

まずは帰ってきてくれて、思っていたより元気そうで安心した。

肩上がらないってわかってるのになんも気にせず被りの服を着て脱げなくてうんうん言ってて思わず突っ込んでしまった。

開きの服も動く方の腕から着てて動かない方の腕から着るんだよってまた突っ込んでしまった。

開きの服なんてあんまり持ってないから私のシャツワンピ貸してあげた。

こうやってあーだこーだいいながらくらいの感じでやってけるといいななんて思った。

それにしてもお母さんがいるだけで心の余裕が全然違う。

気力ゼロになって動けないのとだらだらリビングで横になってるの姿勢はおんなじなのに心持ちが全然違う。

すごいな。不思議。

お母さん。

おかえり。